【鬱病 双極性障害】家族が双極性障害になった。知っておくべき障害の特徴
家族が双極性障害になったとき、全然知らない精神疾患のサポートができるか心配でしょう。そんな不安を解消するために双極性障害の特徴と家族が気を付けるポイントをまとめておきたいと思います。
家族が知っておきたい双極性障害の特徴
双極性障害は躁状態と鬱状態を繰り返す病です。躁状態では借金をしてまで散財する、性的に開放的になる、仕事や遊びに没頭し全く寝なくなる、または、傲慢な態度をとり始めるといった普段の様子とは全く違う行動をとるようになります。
逆に鬱状態ではひきこもってしまったり、気だるそうに横になる、または、理由もなく不安を口にしたり泣いたりするような症状が出ます。
この二つの症状を生活に支障をきたさないレベルに抑えていくのが基本的な治療になります。そしてメインの治療法は薬物療法となり、その補助として心理療法を受けていくのが一般的です。
そして、この病気の特徴は個人によって症状に差があること。人によって躁状態の強さや鬱状態の沈み込みの幅は違います。その差が大きいほど本人は負担を大きく感じるようになります。そのため、症状を把握していくことも家族がご本人をサポートしていくために必要なこととなります。
家族が気をつけること3つ
サポートしていくときに特に気を付けてほしいことが3つあります。それが以下です。
・本人と家族では認識の違いがある
・服薬中止には要注意
・どんなときも予防の意識を持つ(小さな変化を見過ごさない)
ご家族は生活を破たんする行動が増える「躁状態」を問題視し、障がいを患った本人はツラい症状がたくさんでる「鬱状態」を問題視しがちです。そのため心療内科でうつ状態と診断されるのはそのためです。なので途中から双極性障害と診断される事が多いです。
この意識の違いがあると家族がうまくサポートしようと動いても本人に響かない、もしくは、煙たがれることがあります。本人との意思の疎通をとり共通認識を作ることがサポートする体制を整える第一歩だと考えてください。
また、問題となる症状がなくなっても服薬は主治医の指示に従がって継続してください。この病気は再発率が高く、再発する回数が増えるほど症状がひどくなっていく病です。ラピッドサイクラーという状態になるととても辛い日常が続きます。そのため、いかに再発させないかがサポートの肝となります。
特に軽い躁状態になると気持ちが大きくなり、服薬をやめようとする場合があります。そんな時は、叱りつけるのではなく「あなたを心配している」「もう苦しむ姿をみたくないの」と声がけをしてみてください。その思いやりの気持ちがご本人の再発予防の意識を育んでいきます。
また再発予防の観点では初期徴候という行動を探しておくことも重要です。初期徴候とは躁状態や鬱状態が始める兆しとなる行動です。本人は気が付かない事がほとんどです。
例えば
・睡眠時間を短くしていく
・乱暴な言葉づかいを多用する
・人との接触を拒む
・ネガティブな発言が増える
などがあげられます。
これらは一例です。個人により全く異なるトリガーがあることを認識しなければなりません。症状が出始めるにはきっかけや悪化させる行動を素早くキャッチして専門家の助けを求めることで再発を予防することができます。
行動の他としては正月などで沢山の人たちと過ごす時間が増える後や、季節の変わり目などに再発するケースなどもあります。どのようなタイミングで再発しやすいのかも共有しておくのが大切です
一番やってはいけないことは過干渉
上記の3点を抑えておけばご家族はご本人をしっかりサポートすることができるでしょう。ただし、これだけは覚えておいてください
ご本人を大切に思う気持ちが強すぎるばかりに監視のようなサポートをしてしまうことがあります。こうなると生活に息苦しさがでてしまい再発率があがってしまうことがあります。
ちょっと羽目を外す日があってもいいかな。60点でいいかなと思えるようにサポートしていくゆるさも大切です。
大事なご家族を想うあまりに過干渉になり悪循環を生むのだけは避けましょう。そうすれば、健やかな生活は続いていくと思います。